<グロインペイン症候群の症状>
「グロインペイン症候群」は別名「鼠径部痛症候群」とも言われるもので内転筋腱障害・恥骨結合炎・腸腰筋の機能障害・スポーツヘルニア等の総称です。主に、陸上の長距離選手やサッカー選手に発症しやすい障害で一度発症すると治りにくいのが特徴です。初期症状としては、サッカーボールを蹴る時の痛みや、長時間のランニング時の痛み等、限定的な運動時痛が起こります。症状が悪化してくると、徐々に痛みが出る頻度が増え軽い運動でも痛みが発症するようになります。
内転筋とは、骨盤から大腿筋に付着している筋肉で、これらの筋肉がオーバーユースや過剰に伸展された時などに損傷を受ける事で鼠径部に痛みを感じさせます。
<恥骨結合炎>
恥骨は骨盤の下にある骨で、恥骨が軟骨にて結合している部分を指します。恥骨結合部には、腹直筋、長内転筋、短内転筋、薄筋という筋肉が付着しています。これらの筋肉のオーバーユースや柔軟性低下による伸張ストレスが原因となって恥骨結合に炎症を起こすのが恥骨結合炎です。
<グロインペイン症候群の疼痛部位(前側)>
<グロインペイン症候群の疼痛部位(後側)>
<腸腰筋腱周囲炎>
腸腰筋とは背骨から大腿骨、骨盤に付いている大腰筋と腸骨筋を合わせた呼び名で、主に股関節を屈曲させる働きがあります。サッカーのキック動作等で重要な働きをする筋肉です。この筋肉もオーバーユースや過剰に伸張された時などに損傷をきたして、痛みを生じます。
<グロインペイン症候群が発生しやすいタイプ>
1)臀部の筋肉が硬い…股関節が開いた状態になりやすくなるので、臀部筋肉を使いずらい状態になります。キックやターン動作の時に内転筋群や恥骨部に負担をかけてしまいます。
2)慢性的な腰痛を抱えている…ハムストリングやアキレス腱の硬さが原因で骨盤周囲の安定性が低下して姿勢が崩れてしまい、鼠径部にストレスがかかってしまう。
3)過剰なトレーニング…腹筋や殿筋などの特定部位の過度の筋力強化。シュートやロングキックなど特定動作の過度のトレーニングにより、体のバランスを崩し、鼠径部に負担をかけてしまう。
<グロインペイン症候群の治療と予防>
➡グロインペイン症候群には、絶対的な治療法はありません。また、手術等を行わなくても、保存療法で十分に回復することが分かっています。症状の出始めは安静が重要ですが、慢性化している場合は、特に適切な筋肉強化が必要です。筋肉が十分に回復しない状態で競技に復帰してしまうと、ボールを蹴ったり、長時間のランニング動作等の負荷に耐えられず、痛みが復活してしまいます。従って、電気治療やマッサージだけの治療では、不十分なのです。当院では、電気治療やマッサージ治療に加え、筋肉強化を目的とした体幹トレーニング等の指導も併せて行っています。
尚、「ホップテスト」「フルクラムテスト」等で疼痛がある場合は、疲労骨折の可能性がありますので、念の為、一度整形外科を受診するようお願いしております。
スポーツ障害による怪我は、仙台市泉区八乙女の「泉の杜整骨院」へご来院下さい。