グロインペイン症候群〔別名:鼠頸部痛症候群〕とは?
サッカー等の脚をよく使う競技で多く発症します。
病院の治療では治癒までに時間がかかることが多く、本当の原因を特定しにくい為、鼠頸部痛症候群とも呼ばれています。
グロインペイン症候群はまだ治療法も確立されていない為、長期間の保存療法でも有効な改善がみられず、競技復帰が大幅に遅れてしまうケースも稀ではありません。
また、グロインペイン症候群とは、1つの病気を指す言葉ではなく、
- 恥骨結合炎
- 内転筋腱障害
- 腸腰筋腱周囲炎
- スポーツヘルニア(鼠頸部ヘルニア)
などの障害を総称して使われています。
恥骨結合炎
恥骨は骨盤にある骨で、恥骨結合は左右の恥骨が軟骨にて結合している部分を指します。恥骨結合には腹直筋、長内転筋、短内転筋、薄筋という筋肉が付着しています。これらの筋肉のオーバーユースや、柔軟性低下による伸長ストレスが原因となって恥骨結合に炎症を起こすのが恥骨結合炎です。
内転筋腱障害
内転筋とは骨盤から大腿骨に付着している筋肉で、これらの筋肉がオーバーユースや過剰に伸張された時などに損傷を受ける事で鼠径部に痛みを生じます。
腸腰筋腱周囲炎
腸腰筋とは背骨から大腿骨、骨盤に付いている大腰筋と腸骨筋を合わせた呼び名で主に股関節を屈曲させる働きがあります。サッカーのキック動作などで重要な働きをする筋肉です。この筋肉もオーバーユースや過剰に伸張された時などに損傷をきたして痛みを生じます。
スポーツヘルニア(鼠頸部ヘルニア)
本来なら腹部の中にあるはずの腹膜や腸の一部が、鼠径部の筋膜の間から皮膚の下に飛び出してきてしまう病態です。一般には脱腸と呼ばれています。腹部や鼠径部に力が加わる動作によって、鼠径部の筋膜が破れてしまう事によって生じ、鼠径部に痛みを生じます。立った状態で鼠径部にこぶのような膨らみが確認される事があります。
グロインペイン症候群の症状
脚の付け根(股関節前面)、特に鼠頸部周辺の運動痛や圧痛、股関節可動域にも制限が見られます。また、初めは強いボールを蹴るときや全力で走った際などに痛みを生じます。段々と悪化するにつれて軽くボー
ルを蹴るときや歩く際にも痛みが生じ、日常生活にも支障をきたしてしまう事もあります。
グロインペインの原因とは?
- 使いすぎ(オーバーユーズ)
- 筋肉の硬直
- 足首の捻挫や足の肉離れによる負担の増大
グロインペイン症候群の治療
グロインペイン症候群には「コレをやれば治る」という決定的な治療法はありません。
まずは、「安静が一番です」しかし運動を再開すると、また同じ症状が現れてくることもあります。
その為、股間節や骨盤、背骨の柔軟性を高めたり、脚と体幹が協調的に働く動作を身につける事がグロインペイン症候群の予防、対策となります。
【脚と体幹の協調運動】
グロインペイン症候群の予防
- けがのあと、そのまま無理せずにプレーを続けない
- 股関節周辺の拘縮予防や筋力低下の予防
- 運動前の準備運動に体幹から下肢を効果的に連動させる協調運動を取り入れる
- けがからの復帰時に注意する
スポーツ障害による怪我は、仙台市泉区八乙女の「泉の杜整骨院」へご来院下さい。