種子骨炎とは
足裏にある親指の付け根付近には「種子骨」という骨が左右に2個付いています。その骨の周囲が何らかの原因で痛むことを種子骨炎(足親指つけ根の痛み)と言います。
種子骨の役割
足裏に付着する腱の滑りを助けたり、体重の負荷がかかるときクッションの役割を果たす骨です。
種子骨炎の症状
歩行やランニング等、踏み込んだ際に母趾球部に痛みが発生します。
その部分を指で押したり、足の親指を強制的に手で反らすと痛みが出ます。
症状が進行すると足を地面につけただけでも痛みがあり、歩行も困難になってきます。
陸上競技やバスケットボール等よく走るスポーツに多いとされています。
また、踏み込み動作の多い空手や剣道等の競技にもよく見られます。小学生~中学生に多く発症し、大人になると減少する傾向があります。
種子骨炎の原因
1.足の構造が原因
足のアーチが高い人はつま先付近に荷重がかかる為、炎症が起きやすくなります。また、種子骨の大きさも関与しているようです。
2.着用する靴の問題
シューズのサイズが合わず、足の中で必要以上に種子骨に負担がかかる場合。クッション性の低い靴やハイヒール等は種子骨への負担が大きくなる可能性があります。
3.スポーツが原因
ランニングやジャンプのようなつま先をつく動作を繰り返す種目(陸上やサッカー、バスケット、バレー、野球等)また、空手や剣道等踏み込みの多い種目にもよく見られます。
※特にランニング動作時に地面を蹴り出すとき、足底筋が緊張し種子骨には引っ張られる力が加わります。この牽引力により、種子骨が炎症を起こし、痛みが発生します。
種子骨炎の治療
痛みが強いうちは運動を一時休止し、足を安静にします。スポーツ現場の早期復帰を目指す方にはテーピング等の指導も行っております。
また、再発を予防する為にインソール等の利用も併せて行っています。
最後に、親指側(種子骨側)の負担を減らす為、タオルギャザーを小指側で行う等のリハビリテーションを行い、足裏の負担が出来るだけ分散するよう指導していきます。