かかとの痛み(踵骨骨端症)又はセーバー病(シーバー病)
踵骨骨端症の症状
10歳前後の男児に多くみられる病気で、かかとの腫れ、圧痛、歩行痛がその症状です。特に運動の後や、朝起きた時などにかかとの骨の後方に痛みが生じます。一回の外傷によって発症することは少なく、明らかな原因が無い中で、運動中に痛みを訴えることが多いようです。
踵の構造
かかとの痛みの原因
「走る、ジャンプする、踏ん張る」などの力をいれる事で筋肉はギュッと収縮します。その度にアキレス腱や、足底腱膜が互いに引っ張り合い、何度も引っ張り続けられる事で炎症を引き起こします。また踵骨骨端症の80%の人は土踏まずがないような足(扁平足)が多いとされています。スポーツでは、バスケットボール、バレーボール、長距離マラソン、剣道、体操をする人に多い傾向にあるようです。
かかとの痛みの対策
運動中の痛みを抑えるのに一番効果がありそうなのは「インソール(アーチをサポート)」と「ヒールカップ」です。上記の原因で説明したように、痛みが発生する原因は、アキレス腱と足底腱膜がそれぞれ反対方向に引っ張られることで骨端線の部分に腫れが起こります。そのため、その反対側に引っ張られる強さを抑えることが、痛みを抑えるポイントになります。
かかとの痛みに対して、なぜ「インソール」と「ヒールカップ」が有効なのか?
「インソール」は、土踏まず(=アーチ)をつくることで、走ったりジャンプ後の着地などの際の足への衝撃を和らげ、吸収することを助けます。
インソールによってアーチ(=土踏まず)が出来るということは、足底腱膜が短い状態で保たれるようになり、足底腱膜の過度なストレッチ(伸ばされる動き)を防ぐことが出来ます。従って、かかとの下側で、足底腱膜がかかとの骨をつま先側に引っ張る力を和らげることが出来ます。
「ヒールカップ」はかかとをアキレス腱の上側に引っ張る力を和らげる効果があります。
多くのヒールカップはシリコンのジェルで出来ていて、とてもクッション性がある為、かかとへの衝撃を減らすことが出来ます。またヒールカップをかかとの下に置くことで、つま先よりもかかとが上にあがります。かかとを上にあげることで、アキレス腱が少し短い状態になるため、運動中のアキレス腱の上へ引っ張る力も、少し抑えることができます。
ふくらはぎの筋肉(腓腹筋とヒラメ筋)のストレッチも踵骨骨端症には有効といわれています。